selector battle with WIXOSS/アーカイブ

 スカイリンク/コムシードにより2015年3月から2016年4月まで配信されていたiOS/Android用ゲームアプリ『selector battle with WIXOSS』のストーリーパートに関する記録。
 現在はサービスを終了しているため、このページにストーリーの要旨をアーカイブとして残す。
 ルリグ以外の登場人物についてはselector battle with WIXOSS/登場人物も参照。

目次

各章の一覧

 第1〜25章はそれぞれエピソード1〜4で構成される。

序章 その始まりは予感

 主人公は、同級生の相馬梨々花に誘われて流行のTCG・WIXOSSを始める。
 WIXOSSに限らずTCG自体が全くの初心者だった主人公だが、その上達ぶりは梨々花に引っ張られて参加したカードショップ「CA×RD」の体験会で、店長の守田遼平から一目置かれるほどであった。

 ところが、その数日後に梨々花は突如として謎の失踪を遂げてしまう。
 呆然とする主人公は、体験会の参加特典だったティーチングデッキからルリグサクヤ紅羽アリスから1種類を選択)を引き当ててセレクターとなり、ルリグに「梨々花にもう一度会いたい」という願いを託すのであった。

第1章 その邂逅は必然

 ルリグを引き当ててセレクターとなり「梨々花にもう一度会いたい」と言う願いを託したもののこれから何をすれば良いか考えあぐねていた主人公は、青ルリグクロエを引き当ててセレクターとなったばかりの狩野千尋に学校の屋上で対戦を申し込まれる。
 初戦を制した主人公に対して千尋は「2人で協力して校内のセレクターを全員倒さないか」と提案し、梨々花が失踪した件の手掛かりを求めるため利害が一致した主人公もこの提案を受け入れてコンビを結成した。

第2章 この探索は迷宮

 梨々花の手掛かりを追い求めて3年生の小山内杏子と対戦した主人公は、梨々香の幼馴染みである蓮沼美雪と対面する。既にセレクターとなっていた美雪は主人公に対戦を挑んで来るが、主人公に敗れた美雪は約束通り梨々花が失踪の前日に電話で美雪に対してルリグを引き当ててセレクターとなったこと、そして「もう行かなくちゃいけない」と言い残して電話を切ったことを教示した。

第3章 この代償は無常

 すっかり「CA×RD」の常連客となった主人公と千尋は、店長の遼平から妹の守田夏菜がここしばらく自宅に引きこもって心配なので様子を見に行って欲しいと頼まれる。
 守田家が入居するマンションへ行く途中で呼び止められた新条涼香とのフリー対戦を経てようやく目的地に到着すると、玄関の前で夏菜と誰かが言い争っていた。
 そこに割って入った主人公は、夏菜が口論していた相手で赤ルリグパルテアを持つセレクターの雲上華代からセレクターとなった夏菜を騙して3敗させた初心者狩りグループのメンバーではないかと疑われ、成り行きで対戦することになってしまう。
 主人公は辛くも勝利を収め、華代は主人公たちが初心者狩りグループと無関係であることを認めて非礼を詫びた。
 華代曰く、夏菜は心臓の疾患に苦しんでいる母親を治したいと言う願いを賭けてセレクターとなったが初心者狩りグループに騙されて3敗を喫してしまったため、その敵を討つべくグループのリーダーを追っているのだと言う。

第4章 この感情は復讐

 主人公と千尋は華代に引っ張られるがまま、初心者狩りグループのリーダー・矢島志津香を追うことになってしまう。
 夜の工事現場に姿を現した志津香は、貧困で荒んだ家庭環境から抜け出すため「大金が欲しい」と言う願いを賭けてセレクターとなり、他のセレクターと徒党を組んで初心者狩りを行っている不良少女で、夏菜は「WIXOSSプレイヤーの交流会」と称して誘われた先でグループの犠牲となった1人だった。しかし、志津香は持ち前の用心深さからこの時はルリグを持参しておらず「実力を試す」と称して主人公にフリー対戦を挑んで来る。
 主人公に敗れた志津香は「今度はセレクターとして戦いたい」と言い残してその場を去るが、華代は苦悩する親友のために何も出来なかった自らの無力を嘆いてその場でただ号泣するのみであった。

第5章 その願望は虚無

 主人公たちは昼休みに誰もいない理科室で共にセレクターの麻生貴美子天海小春が対戦している所に巻き込まれてしまうが、この対戦は教師の乱入でノーゲームとなった。
 そこへセレクターの気配を察知して駆け付けた縞田由真はフリー対戦で主人公に負けたことを根に持ち、下校後も主人公を執拗に追い回す。
 一方、WIXOSSの腕前は初心者同然で「志望校に合格したい」と言う願いを賭けてセレクターとなった小春は、主人公のプレイングに魅せられて仲間に加わりたいと申し出た。そこへ由真がルリグを持参して主人公に勝負を挑んで来るが、主人公との実力差は歴然で3敗目を喫し「読者モデルになりたい」と言う願いを断たれることになってしまう。
 そして、主人公と千尋は華代からセレクターが3敗した後の過酷な運命について聞かされるのであった。

第6章 この欲求は傲慢

 新しく仲間に加わった小春は早くセレクター同士でバトルをしたくて焦っている様子であったが、千尋は小春が初心者狩りグループに狙われるのではないかと警戒を募らせていた。
 案の定、志津香が率いる初心者狩りグループが小春を狙って来る。逃げ込んだ工事現場では以前に一度フリー対戦した新条涼香と再開するが、ルリグを引き当ててセレクターになったと言う涼香は「あと1勝すれば夢限少女になれる」と言い主人公に対戦を申し込んで来た。
 結果は主人公の勝利であったが、3敗してセレクターの資格を失った涼香は「老衰で死んだ飼い犬との再会」が自分の願いであったことを打ち明けてその場を立ち去る。

 そして主人公はそれまで無敗を誇っていた志津香に初めての黒星を付けるが、その様子を見ていた小春は「早く夢限少女になりたい」と言う感情を抑え切れなくなっていく。

第7章 その羨望は哀切

 小春は千尋たちの指導で少しずつWIXOSSの腕前を上達させて行くが、千尋はそれでも小春がセレクターとして戦うことに否定的な態度を崩そうとはしなかった。
 そんな折、主人公たちはカードショップで2人連れのセレクター──桑島潤子諸江ひとみに声を掛けられる。潤子は主人公に敗れても深刻になるでもなく「あはは、負けちゃった」と軽く受け止め、華代は潤子のそんな態度を「信じられない」と呆れる。

 そして遂に、小春は千尋の制止を振り切って単身でセレクターとして戦うことを決意する。
 小春がルリグに託した「志望校に合格したい」と言う願いは表向きのものだった。両親が成績優秀な姉ばかり贔屓にしていることに強いコンプレックスを抱いていた小春は、「姉を見返したい」という真の願いを抱いていたのである。

第8章 この友情は劇薬

 数日後、主人公たちは小春が潤子とひとみに誘われてバトルをしている所に遭遇する。
 潤子は奇しくも小春と同じように両親から姉と比べられる境遇にコンプレックスを抱いていたが、勝負は小春の辛勝であった。
 その翌日、小春は主人公たちを屋上に呼び出し、セレクターとして対戦を申し込む。千尋は反対したが、華代は小春の意思の固さを感じ取って対戦を容認する。そして、主人公に敗れた小春は「後悔はしていない」と言って主人公たちの元を去って行った。

 中間試験が終わり、主人公たち3人は久々に「CA×RD」へ集まるが、千尋は華代から「小春が学年1位を取った」ということを聞かされる。
 その帰り道、主人公たちは小春の母親が以前と一変して小春をべた褒めしている所に遭遇するが、千尋は目の前の小春が自分の知っている小春と雰囲気が違うことに、拭いがたい違和感を覚えていた。

第9章 その欲望は憎悪

 主人公たちは屋上で演劇部員の南方美春から申し込まれたフリー対戦に興じていたところ、美春を探しに来た部長の朝霧詩乃と知り合う。
 詩乃は部長にして演劇部では誰も太刀打ち出来ない演技力の持ち主で、次回公演の『桜の園』の主演も確実視されていた。美春から演劇部員の間でもWIXOSSが流行っていると聞かされた千尋は興味を持ち、主人公と華代を誘って部活動を見学しないかと提案する。
 主人公たちは通し稽古の見学で共に部員の円城寺薫成宮真央と知り合うが、この2人の間には不穏な空気が漂っていた。特に華代は真央が何かよからぬことを考えているのではないかと警戒している様子だったので、千尋は「直に問い糺すべきだ」と言い、3人で真央を探すことになる。
 真央は薫と何か話し合っていたが、主人公たちに問い詰められても動揺すら見せず「顧問と相思相愛になりたい」と言う願いを賭けてセレクターとなった薫をけしかけ、対戦させる。

第10章 あの情熱は絶望

 千尋は主人公に敗れた薫を突き放すかのような真央の態度に激怒する。そして約束通り放課後に主人公たちと再開した真央はセレクターとして主人公と対戦するが、黒星を付けられたことを気に病むでもなく「ゲームで1回負けただけ」と言い「自分の願いも他人の願いもどうでもいい、ただ他人が願いに翻弄されて苦しむ所を見ていたい」と本音を口にした。
 その直前、演劇部には詩乃がスカウトされていたテレビドラマの新人女優オーディションで真央が主演に選ばれたとの一報が入っていた。真央にとっては主演女優のポストなどどうでも良く、ただ詩乃が絶望する所を見たいがための当てつけで応募したに過ぎないことは明らかだったが、詩乃のショックは相当なもので部活にも顔を出さなくなってしまった。
 絶望した詩乃は何かにすがり付くようにWIXOSSのパックからルリグを引き当ててセレクターとなり、街中で手当たり次第にバトルを挑んでいるらしいと言う噂を聞きつけた主人公たちは詩乃の足取りを追うのだが──。

第11章 この切望は偽り

 主人公たちは図書館でようやく詩乃を発見する。千尋は詩乃にセレクターをやめるよう説得を試みるが、詩乃を翻意させることは出来なかった。
 詩乃は千尋にセレクターとして対戦を挑み、ドラマのオーディション結果が発表された後に真央から「自分は夢限少女になった」と告げられたことを明らかにする。この対戦は図書館員が閉館時刻を知らせに来たことでノーゲームとなったが、その翌日に駅で呼び止められた篠田美佳から詩乃が「研究会」と称するセレクターの親睦団体に加わったことを聞かされ、その「研究会」の会場に使われている廃ビルへと足を踏み入れる。

第12章 この心は純真

 廃ビルを拠点に活動する「研究会」のメンバーは篠田美佳、新居明日香、会長の香取蘭菜と、その親友で新しく加入した詩乃の4人だった。
 明日香と美香を倒した主人公は会長の蘭菜と対峙するが、その場に居合わせた詩乃は「どうしてもセレクターになりたい」と言い、千尋を連れて隣室でバトルを始めてしまう。蘭菜を倒した主人公は華代と2人で隣室に駆け付ける。
 対戦は詩乃の優勢で進んでいたが、図書館の時と同様に通報を受けて見回りに来た警察官の介入でノーゲームとなった。
 主人公たち3人は詩乃を追って街中の小劇場にたどり付く。詩乃は舞台を眺めながら「自分にはもうこの道しか残されていない」と言って主人公に対戦を挑み、3敗目を喫してセレクターの資格を失ったことによって願いが反転し、失声症となってしまう。

第13章 この賛美は情熱

 千尋は詩乃の一件から気落ちしたままであったが「CA×RD」で思いがけずかつてセレクターだった涼夏と再開し、フリー対戦をしている内に元気を取り戻した。
 そこに関西弁を話す赤ルリグ紫音を引き当てたセレクターの櫻井綾子が現れる。綾子は本番に弱い性格で、セレクターとなってから一度もバトルをしていないと言い、紫音から「バトルの雰囲気に慣れさせて欲しい」と頼み込まれた主人公は綾子の弟子入りを引き受けてしまう。
 その翌日、カードショップに今度は2人連れのセレクター──岸本みのり間宮楓夏が現れる。綾子の親友だと言う楓夏は主人公に対し「綾子の願いは叶ってはいけない願いだ」と伝え、今すぐ綾子にバトルを教えるのをやめて欲しいと強い口調で警告する。
 その「叶ってはいけない願い」がどのような願いなのか楓夏は明言しなかったが、だからと言って放っておく訳にも行かず、主人公たちは3人で綾子の家を訪ねることにした。

第14章 その真実は猛毒

 綾子の家を訪ねた主人公たち3人は、綾子が父の再婚相手の美奈子に八つ当たりする光景に遭遇する。千尋は「図書館で待っている」と言う楓夏の伝言を綾子に伝えるが、綾子は明確な返答をしなかった。
 綾子の願いが継母に関わることではないかと言う疑念から、主人公たちは改めて楓夏に真実を問うことにする。主人公たちは楓夏が綾子との待ち合わせ場所に指定した図書館で楓夏の姿を探すが、その前にみのりが「今度はセレクターとして戦いたい」と言って立ちはだかった。

第15章 この焦燥は懇願

 みのりとのバトルを制し、なお図書館で楓夏を探す主人公たちは、セレクターの資格を失った桑島潤子と、セレクターの資格を保持しているがバトルからは距離を置くようになった諸江ひとみの2人と再会する。
 主人公たちの前に再び姿を現した楓夏は、綾子の願いが「美奈子の存在を眼前から消し去る」ことだと言い「どんな手段を使ってでも綾子が夢限少女になって願いを叶えるのを阻止したい」として協力を求められる。

第16章 その結末は残酷

 図書館を出た主人公たちは潤子とひとみから「会わせたい相手がいる」と言われ、レストランで朝霧詩乃と再会する。願いの反転により失声症となった詩乃は以前からの友人であったひとみの薦めで普通の1プレイヤーとしてWIXOSSをするようになり、再出発のため改めて主人公とフリー対戦をしたいと申し出た。対戦は前回と同様に主人公の勝利となったが、新たな友人たちに囲まれて楽しいひと時を過ごした詩乃の表情はとても晴れやかであった。
 その帰り道、主人公たちは工事現場で、綾子がセレクターの貴志藍子にバトルを持ちかけられている場面に出くわした。綾子と藍子のバトルはパトロール中の警察官が介入してノーゲームとなるが、近くの公園で綾子にバトルを求められた主人公はその挑戦を受けて立ち、綾子に勝利する。
 数日後、CA×RDに楓夏が来店した。楓夏は「綾子が夢限少女になるのを阻止するには自分が夢限少女になるしかない」と言って主人公と対戦する。
 主人公に敗れた楓夏が失望する姿に、千尋は最悪の事態を懸念し、綾子のマンションへ急いで駆け付ける。
 上機嫌で玄関から出て来た綾子の様子を不審に思い、千尋と華代は彼女を問い詰めるが、綾子はもう隠す必要が無いとばかりに関西弁で「美奈子が交通事故に遭い意識不明の重体となった」ことをまくし立てる。
 華代は“ある可能性”を口にしかけるが、綾子はそれを制し、「うち、勘のええ奴は嫌いやねん」と言い残して雑踏の中へ消えて行った──。

第17章 あの微笑は夢幻

 綾子の継母が交通事故に遭った数日後、主人公たちは喫茶店で吉祥沙羅と名乗るセレクターにフリー対戦を挑まれた。少し遅れて赤ルリグシャノンを連れたセレクターの結城麗美が現れ、ある目的を果たすためセレクターとなってから無敗を誇る主人公に協力して欲しいと要請する。主人公に負けた沙羅は主人公が麗美たちのグループに加わることに反対するが、麗美は主人公のルリグがどれだけ勝ち続けてもシャノンと同様に夢限少女となる兆候の“進化”を見せる気配が無いことを察知し、その力が必要だと言って聞かなかった。
 翌日、主人公たちは3年生の小山内杏子、蓮沼美雪と再開する。2人は揃って「夢限少女になって願いを叶えた」と言うが、やはり華代は綾子の時と同様に自分が知っている2人とはまるで別人のように感じられることに違和感を覚えていた。その日の放課後、麗美と敵対している弓矢神楽が主人公を訪ねて「CA×RD」に来店する。

第18章 その戦いは悲壮

 麗美と神楽の2陣営から仲間になるようスカウトされた主人公は回答を保留していたが、ひとまず神楽が接触して来た事実を麗美に伝えることにした。待ち合わせ場所の公園では麗美陣営のナンバー2を自認する静内香奈恵が沙羅と同様に「こいつらの力なんて必要無い」と主人公たちを仲間に加えることに反対するが、同じく麗美陣営の一員である金月沙緒里は麗美がセレクターになったばかりの自分たちを守ってくれていることや仲間内での私的なバトルを禁じていることを説明し、千尋は心を動かされる。
 麗美たちと別れた主人公と華代が「CA×RD」に顔を出すと、杏子と美雪が「夢限少女になった者同士で仲良くなった」と言う天海小春を主人公たちに引き合わせた。小春は単独行動で主人公たちに迷惑をかけたと謝罪するが、やはり華代は目の前の小春の一挙一動がセレクターだった頃とまるで違っているように感じられた。そこへ神楽の友人だと言うセレクターで漆黒のゴスロリ衣装を着た範馬光が現れ「3日後に廃校で麗美陣営と決着を付けるので仲間に加わるかどうかは別にして主人公たちにも来て欲しい」と伝えられる。
 そして、光から千尋が麗美と2人でいるのを見たと聞かされて急いで駆け付けると2人のバトルが決着し、麗美との圧倒的な力量差をはね返せないまま千尋が2敗目を喫した直後であった。千尋が麗美にバトルを挑んだ理由は麗美の願いを知りたいからであったが、麗美は「3日後に廃校で開催する集会で全てがわかる」と言い残してその場を立ち去ってしまう。

第19章 この裏切りは友情

 3日後の夜、廃校を舞台に麗美陣営と神楽陣営のバトルロイヤルが始まった。結局どちらの陣営にも与しなかった主人公たちは双方のセレクターから対戦を挑まれるが、神楽陣営のセレクターは麗美が仲間内で言っていたような「汚い願いを持った者ばかり」とは思えないことに千尋は違和感を抱く。
 両陣営で3敗して願いが反転した脱落者が続出する中、範馬光は同じ陣営で「ミュージシャンになりたい」と言う願いを賭けてセレクターとなった佐野紅美子が自分に対して急に素っ気ない態度を取るようになったことに驚愕した。その光景を見ていた華代は紅美子の身に起こった異変が綾子や小春の時と同じ現象ではないかと気付くが、既に2敗して後が無い光は神楽に促されて焦燥し切ったまま主人公にバトルを挑む。
「弟の病気を治したい」と言う願いを賭けてセレクターとなった光は主人公に敗れてセレクターの資格を失った。そこに麗美が現れ「夢限少女になるぐらいなら3敗して願いが反転した方がマシ」だと言い切る。このバトルロイヤルは麗美陣営のセレクターを神楽にぶつけて玉砕させ、セレクターの資格を失わせる為に計画されたものだったのである。

第20章 その魂は苛烈

 麗美・神楽の両陣営とも、参加したセレクターのほとんどが脱落するか夢限少女となるかのどちらかでセレクターは残りわずかとなった。そんな中、麗美との頂上決戦を前に、華代は主人公と千尋に初めて自分の願いを打ち明ける。

 華代の両親は仕事一筋で家庭を顧みず、物心着いた頃からたまに家政婦が来る以外はマンションの一室に1人で過ごす日常だったため、家族の愛情を信じられないまま育った。「そんな自分を心から愛してくれる人に出会いたい」──それが、華代がルリグパルテアに託した願いであったが綾子や小春の身に起こった異変が夢限少女となった自分の身にも起こるとすれば、その願いを叶えた自分はどうなるのか?
 華代の問いにパルテアは口をつぐみ、千尋に何か知っているのではないかと問われたクロエは「それをルリグが明かすのは禁じられている」と言うばかりであった。
 主人公たちはようやく麗美の元へたどり着くが、対戦相手となったのは麗美陣営のナンバー2を自負する静内香奈恵であった。主人公に敗れて3敗した香奈恵は「オリンピックに出られるような一流の陸上選手になりたい」と言う願いの反転で足が動かなくなり、麗美に助けを求める。そして、麗美は華代が薄々感付いていた「夢限少女となって願いを叶えるのはセレクターでなく、セレクターと入れ替わったルリグである。ルリグと入れ替わったセレクターは新たなルリグとなってカードに封じられ、別のセレクターの元へ派遣される」と言うセレクターとルリグを巡る因果の全貌を打ち明けた。その麗美がシャノンに託した願いは「ルリグとセレクターの入れ替わりを無くす」ことであるがシャノンは決してその願いを叶えようとしないため、同じ境遇の主人公に勝てばシャノンは嫌でもこの願いを受け入れざるを得なくなるはずだと言い、バトルが幕を開ける。
 主人公は麗美との激戦を制し、麗美は初黒星を喫したが全く動じる気配は無かった。時を同じくして、神楽は最後のバトルに勝利し夢限少女となる。全身から光を発した神楽は恍惚に満ちた表情で「繭」と言う名前を叫び続けていたが、主人公たちにはその「繭」と言う名前の意味は理解すべくもなかった。
 神楽──もとい、さっきまで弓矢神楽になり切っていたルリグは本物の神楽に引き当てられてからバトルに明け暮れ、その快楽に身を任せて「もう一度ルリグになりたい」と言う願いを賭けて再びセレクターとなった。そして、その願いを成就させてルリグに戻り、ゲームマスターの繭が待つ白窓の部屋に還って行ったのである。

第21章 この快楽は幻想

 廃校でのバトルロイヤルから数日後、主人公たちは遼平の推薦で「CA×RD」を含むカードショップ6店が合同開催している「WIXOSSチャレンジカップ」へ参加することになった。このイベントは期間中に開催店舗を回って他の参加者とフリー対戦し、合計勝ち数のランキングに応じて景品がもらえると言うもので主人公たちは早速、遼平から一番近い店として紹介されたカードショップ「VENUS」を訪れる。
「VENUS」は派手なファッションのカジュアル系プレイヤーが多い店だったが、クロエは来店者にセレクターがいることを察知する。そのセレクターは、かつて千尋と同じ小学校に通っていた一ノ瀬花蓮であった。母子家庭で貧乏な暮らしをしている花蓮は「ファッションデザイナーになりたい」と言う願いを賭けてセレクターとなったが、訳有って今はバトルから身を引いていると言う。花蓮からチャレンジカップが始まった直後に「梨々花」と名乗る凄腕のプレイヤーが「VENUS」に現れたことを聞かされた主人公は、チャレンジカップの開催店を回って行けば失踪した梨々花と再開できるのではないかと言う希望を見出した。

第22章 その衝動は探求

 数日後、花蓮が「CA×RD」を訪ねて来て主人公たちとチャレンジカップの開催店回りに同行することになる。4人が訪れた3店目の開催店は大手進学塾系列のショップ「遊戯塾 天馬」で、店内ではどのプレイヤーもまるで受験勉強のように黙々と理詰めで対戦をしていた。主人公たちは他の参加者からこのショップで最強のプレイヤーは常に大量の参考書をリュックで持ち歩いている金城美貴だと聞かされ、美貴との待ち合わせ場所に指定された公園へ向かうことにする。
 公園へ行く途中、花蓮は主人公たちに自分がバトルを中断している理由を打ち明けた。花蓮はセレクターとなってから順調に勝利を積み重ねていたが、最後の対戦で「イラストレーターになりたい」と言う願いを賭けたセレクターが3敗目を喫して願いが反転し、失明したことに恐怖と罪悪感を覚えセレクターとして戦う自信を失ったのだと言う。千尋は花蓮の体験から麗美の「ルリグとセレクターの入れ替わりを無くす」と言ういつ叶うとも知れない願いを思い出し、不意に心が揺らいだ。
 美貴は「世界的な科学者になりたい」と言う願いを賭けてセレクターとなっていた。そして主人公に敗れたことで2敗目となり後が無くなったが、その美貴が初黒星を喫した相手は他ならぬ梨々花だと言う。それが失踪とどう繋がるのかはまだわからないが、やはり梨々花もセレクターとして戦っていたのである。

第23章 その一言は悔恨

 千尋は主人公が美貴と対戦してから、夢限少女の真実を知ってもなお「願いを成就させるために戦うセレクターたちの気持ちまで嘘だと思いたくない」と言う華代との意見の隔たりに苦悩していた。そして、自分の気持ちに整理を付けるため個人的に招かれていた麗美の家を主人公と2人で訪ねることにする。
 既に2敗して後が無い千尋は麗美に促され「大好きなWIXOSSで悲しい思いをする人がいなくなる」ことが今の自分の願いだと断言した。麗美は千尋のこの答えに「我が意を得たり」と言う表情を浮かべ、今後も主人公と千尋に対して協力を惜しまないと約束する。
 その翌日、主人公たち4人は4店目のイベント開催店「CARD SHOP EXCITING!」を訪れるが千尋と華代は依然として気まずいままであった。「EXCITING!」はカードショップと言うよりも不良の溜まり場のような雰囲気の店で、常連客で唯一セレクターとなっている浅村有紀が店内を仕切っていた。
 主人公に敗れて2敗目を喫した有紀は自分が最初に負けた相手が梨々花であることを認め、残りのイベント開催店2店のどちらかに行った可能性を示唆する。残り2店のうち1店は花蓮の気が進まないと言うことだったので、もう1店の「トレカ☆倶楽部」へ行くことにした。

第24章 この感覚は奔放

 5店目の「トレカ☆倶楽部」はTCGとして以上にWIXOSSの設定や世界観が好きなオタク系のライトなプレイヤーが集う店だった(店頭にコード・ピルルクの立て看板が飾られ、ショーケースにはブラックデザイアが展示されている)。イベント中と言うこともあって店内は多くのギャラリーでごった返していたが、リーダー的存在の草薙夏帆は主人公が他のプレイヤーとフリー対戦で連勝している様子を見届けると店を出てしまう。
 夏帆の友人から「近くの工事現場で待ってる」と伝えられた主人公たちは夏帆と対面するなりバトルを挑まれる。楽天的な性格の夏帆は「漫画家になってWIXOSSをコミカライズしたい」と言う願いを賭けてセレクターとなったが、主人公には歯が立たず初黒星を付けられる。夏帆は梨々花のことを知らないと言い、新たな手掛かりは得られなかった。
 千尋が夏帆と別れる際に「あなたがセレクターから解放されることを望む」と言った意味がわからなかった花蓮は、千尋と華代から夢限少女を巡る真実を聞かされてショックを受ける。しかし、麗美の「ルリグになるぐらいだったら3敗して願いが反転した方がマシ」と言う考えに共鳴した千尋に対し、華代は麗美のセレクター狩りにはどうしても納得が行かず「他に方法があるはずだ」と言って譲らなかった。
 翌日、主人公たちは花蓮の案内により最後のイベント開催店でお嬢様や読者モデル御用達のカードショップ「LUXURY」を訪れる。花蓮は以前にこの店の常連客のリーダー的存在で周囲から「お姉様」と呼ばれている見城玲子と何かあったらしく、この店を避けていたが梨々花の足取りを追うためにやむなく入店した。そして玲子と対面することになるのだが──。

第25章 この理想は清廉

 最後のイベント参加店「LUXURY」を訪れた主人公たちは店に出入りしている他のセレクターから蔑むような視線を浴びせられるが、その理由は花蓮がバトルから身を引いた出来事にあった。
 この店にはリーダーの玲子だけでなく複数人のセレクターがいたが、玲子はセレクター間の私闘を禁じていた。しかし、2敗して後が無くなったセレクターの1人が玲子の言いつけに背いて花蓮にバトルを懇願し、3敗目を喫したので願いの反転により失明してしまう。玲子はかつて花蓮の母親が見城家の家政婦だった縁で花蓮と面識があり、花蓮にWIXOSSを薦めたのも玲子であったが元から貧しい家庭の花蓮が店に出入りしていたことを疎んでいた他のセレクター達は花蓮が禁を破ってバトルをしたことで一斉に花蓮を非難し、花蓮は追放同然に「LUXURY」を離れざるを得なくなったのであった。

 主人公の前に現れた玲子は「梨々花から手紙を預かっている」と言い、バトルを申し込んで来た。玲子との激戦を制した主人公は約束通りに梨々花からの手紙を託されるが、玲子は花蓮と話があると言って主人公たちと別れた。
 主人公たち3人は玲子が梨々花から預かっていた手紙を開封する。そこには、梨々花がルリグを引き当ててセレクターとなったこと、主人公も時を同じくしてセレクターとなったのでいずれ互いの願いを賭けてバトルをすることになるであろう運命に対する苦悩、そして梨々花にとって主人公は今でも大切な友達であり、いずれ来るであろうバトルの日まで主人公を傷付けたくないので自ら身を引くことにした経緯が綴られていた。そこへ玲子と話し込んでいた花蓮が合流し、意を決した表情で主人公にバトルを申し込む。

エピローグ

 主人公に正面から勝負を挑んで敗北した花蓮は、自分の願いを堂々と受け止めてバトルに応じた主人公に感謝の意を伝え「これからは1人で夢限少女を目指す、デザイナーになりたいと言う願いを叶えるのがルリグであっても自分の願いに偽りはない」と言い残して主人公たちに別れを告げる。

 主人公と千尋、華代はいつも休み時間にWIXOSSをしていた学校の屋上に集合して今後の方針を話し合うことになった。華代はパルテアに夢限少女になった後に自らの願いである「私──“華代”を愛する人が現れるのか」を問い、パルテアは「必ず現れます、それこそが私たちルリグに与えられた力ですから」と答える。そして主人公と千尋、華代は3人で話し合い、結城麗美に「3人とも麗美のグループには入らない、今後はどれだけ困難でも各自が1人でセレクターとして夢限少女を目指して行く」と結論を伝えた。麗美はこの回答を受け入れ「あなたたちが、また今のような関係に戻れること。人として再会できることを祈っている」と言い、3人の元を去って行った。
 華代は麗美の後姿を見つめながらつぶやく。「私らの信じる道に向かって…」。

──The End.

備考

  • 主人公と千尋の年齢は、第2章において「中学1年生」と明言されている(華代と小春も同い年と思われる)。季節の描写は特に見られないが、登場人物の制服は基本的に冬服なのでアニメ(『infected』第1話時点)より以前の出来事だとすれば1年近く前と考えられる。
  • 第14・15章の舞台となっている図書館は、アニメで重要な舞台の一つとなっている古い邸宅を改造した図書館ではなく、ごく一般的な公立図書館である。
  • 「同じセレクターとルリグの組み合わせ同士は、勝敗を決したら再戦することが出来ない」と言う『selector』シリーズの共通ルールは、本作でも自明として扱われている。そのため、対戦相手として登場するセレクターには初対面時に敢えてフリー対戦を要求するケースや3敗してセレクターの資格を失った後にフリー対戦を希望するケースが見られる。最多の対戦は新条涼香の5戦(フリー4、セレクター1)。3敗した後に再びルリグを引き当ててセレクターとなった事例は、本作では見られない。
  • 桑島美里と潤子はシリーズ全般において、姉妹で同時期にセレクターとなっている唯一のケースである(『Re/verse』の緑屋敷姉妹や『stirred』の白戸姉妹は一方がルリグとなり、もう一方がそのルリグを引き当ててセレクターになっているため同時ではない)。
  • アニメの一衣やちよりのように3敗したことが原因で記憶を失ったケースは存在しない。朝霧詩乃は3敗して失声症となったがセレクターだった際の記憶を全て保持しているし、新条涼夏(老衰で死別した飼い犬との再会)や桑島潤子(不明)は3敗してセレクターの資格を失った後も特に支障無くWIXOSSのフリー対戦を楽しんでいる。
    このことから、セレクターの資格を失った際に必ずWIXOSSの記憶を失う訳ではなく、繭の気分次第で願いの反転に記憶の消去を含めるかどうかが決められていると考えられる。

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Last-modified: 2017-02-25 (土) 04:07:00 (605d)