外伝漫画『selector infected WIXOSS -peeping analyze-』に登場する、主人公・水嶋清衣(後のピルルク)のルリグ。
元々は坂口歩美が清衣にプレゼントしようとしていた構築済みデッキのカードであり、歩美の事故後に彼女の母を経由して清衣の手に渡った。
植物状態に陥った「坂口を救って」という清衣の願いを汲み、セレクターバトルへと彼女を誘う。
占いを好み、微笑みを絶やさない明るい性格。占いには相当な自信を持っており、時には清衣の私生活に占いを押し付けることもあった。
清衣は当初、その奔放な言動や歯に衣着せぬ物言いに困惑することが多かったが、その献身的な姿勢や激励に少しずつ心を開き、遂には友達として認めるようになっていくのだった。
だが清衣が心を開いていく程、その微笑みには意味深なものが混ざっていく。
そして勝利を重ね、夢限少女となった清衣の体を得るわけだが、「白窓の部屋」でピルルクが見たものは、歩美の人工呼吸器に細工を施して酸素マスクを外し、「ゆっくり休んでくださいね」と笑顔で吐き捨てるリメンバの姿であった。
セレクターの願いを叶えないと元ルリグの人間は消滅する運命を背負うため、ルリグは自分が叶えられると判断した願いしか受け入れない。
つまり清衣の願いを二つ返事で受け入れたリメンバは、最初から歩美を社会復帰させるのではなく、死によって「救済」することを考えていたのであろう。
マスクを外す際にもいつもと変わらぬ微笑みを浮かべている姿は、救いのないテレビ版の展開に勝るとも劣らない狂気を読者に見せつけ、その背筋を凍てつかせた。
その後、「自分の体に入っている元ルリグの新たなルリグとなり、『自分の体に戻る』という願いを叶える」という考えのもと、黒のルリグを携えたセレクターとしてピルルクと橋本アミカの前に立ちはだかる。
バトル自体はピルルクの自爆で幕を閉じるが、「ルリグに願いを託す」のではなく「セレクターバトルの仕組みを使って願いを叶えようとする」小賢しさが繭の不興を買う。
結局自分の体の元へ送られたリメンバを待っていたのは「あんたの体の方が気に入っている」という、非情な終身刑宣告であった――。
その正体は、小学生時代に清衣を虐めていたグループの1人であり、ルリグとしての姿は憧れていた虐めの主犯格の少女を模したものであった。
占いに凝る性格、やたらと清衣を貶める過去の日記、そして「違う自分になりたい」という当初の願いから察するに、彼女も自分自身にコンプレックスを抱えていたのかもしれない。
原初のルリグがセレクターバトルを終わらせるまで、彼女がどうなったのかを知ることはできない。が、あるいは……?
|